シンプルかつ包括的なEESソリューションでCoOを削減
E3は、業界で最も包括的なEES(装置エンジニアリングシステム)ソリューションであり、FDC(障害検出・分類)、R2R(ランツーラン)制御、EPT(装置パフォーマンストラッキング)などのコンフィギュラブルなソフトウェアモジュールを統合した自動化プラットフォームを提供します。これらのモジュールは、装置およびプロセスパフォーマンスのモニタリング、自動化、最適化を通じて、全体的なCoO(コストオブオーナーシップ)の削減に貢献します。
E3は、限られたセットアップ時間とモデル開発時間の中で、装置やプロセス制御をすばやく設定および配備しなければならない装置エンジニア、プロセスエンジニア、およびAPC(先端プロセス制御)エンジニアにとって有用です。 使いやすいワークフローエンジンにより、ソフトウェア開発に頼ることなくプロセスコントロールストラテジーをすばやく変更、カスタマイズ、アップデートおよび配備できます。また、ツールのステート情報にリアルタイムでアクセスできるので、問題の発生をただちに把握できます。さらに、装置およびCMMS(コンピュータ設備保全管理システム)、スケジューリングとディスパッチング、MES(製造実行システム)およびYMS(歩留まり管理システム)など他のファブシステムから収集したデータに基づいてユーザ定義のイベントにも対処できるので、データへのすばやいアクセスとより的確な意思決定が可能になります。ドリルダウンなどの高度なデータビジュアル化機能は根本的原因の分析を促進します。
障害検出、APC、装置自動化モジュールを統合した
業界唯一のEESソリューション
E3はFDC、R2RおよびEPTを1つのプラットフォームに統合した業界唯一のEESソリューションとして、ツールの接続性、システム、およびモデルとストラテジーロジックの統合に関する問題を解消します。E3の共通プラットフォームアーキテクチャでは、これらのアプリケーションをシームレスに連携するので、プロセス制御や包括的なレポート機能が強化されます。アプリケーションは一体となって機能し、レシピにおける製造上の主要問題の分析、予定外の装置停止や製品スクラップを削減する制御の実現、およびCpk(工程能力指数)とスループットの改善を可能にします。
FDC(障害検出・分類)モジュール
FDCは、規格外製品が発生してから対処するリアクティブな方法から、装置の問題を早期に検出して製品への影響を回避するプロアクティブなシステムへの移行を可能にします。APCコンポーネントの1つであるFDCは、統計的分析手法により、あらかじめ定義した限界値と装置パラメータを絶えず比較して、その結果をすばやくフィードバックすることで、予定外の装置停止を回避し、ツールの可用性を高め、スクラップを削減します。サポートしている障害検出機能には、限界値管理、単変量解析および多変量解析などがあります。リモートアクセスとFDCによるツール変数分析を組み合わせれば、その場にいなくてもツールのエキスパートが対処できるので、障害や予定外のイベントを一段とすばやく解決できます。
R2R(ランツーラン)モジュール
R2R制御はプロセスモデル、前工程結果でのバラツキ、および計測装置からのフィードバックに基づき、ロットレベルまたはウエハレベルのR2Rにより、レシピのパラメータを最適化してプロセスのパフォーマンスを改善し、プロセスの変動を低減します。また、装置レベルやチャンバレベルで利用できることから、リワークなどのカスタムストラテジーを高度に自動化した方法で実行できるようになります。R2Rは、統合的なモデリング構造と欠落データおよび異常計測データや多品種小ロット市場に対応できる高度な特許技術により、モデルの管理作業を軽減してコストオブオーナーシップを抑制します。ファブの重要領域向けにあらかじめセットアップ済みのR2Rモデルを利用すると、導入時間を大幅に短縮できて結果をより迅速に得られます。R2Rの代表的な用途にはリソグラフィ、エッチング、CVD、CMP(化学機械研磨)、および拡散などがあります。
EPT(装置パフォーマンストラッキング)モジュール
EPTは正確なOEE(総合設備効率)基準の提供とレシピの変更を通じて、ボトルネックを解消し、パフォーマンスを最適化します。プロセス実行中にステートをリアルタイムでモニターし、チャンバレベルやモジュールレベルで詳細を捕捉するのでツールの中で何が起きているかを的確に把握できます。EPTはこれらのツールデータを利用して、効率が改善できる箇所を特定するために装置のパフォーマンスを1秒以下のレベルで比較します。ステートのモデリングや設定にコーディングは不要です。
コンフィギュラブルな装置ストラテジーシステムで迅速・容易に修正
E3は、リコンフィギュラブルなストラテジービルダーを提供し、柔軟性とコスト効率に優れたAPCを実現します。プラットフォームにはECA(イベント-条件-動作)と呼ばれるイベントベースのアプローチを用いてストラテジーロジックを定義し、ファブ全体の複雑な運転を管理します。イベントが発生すると、イベントメッセージから収集した情報に基づいて指定のロジックが実行され、ウェブサービスその他の技術で装置または他の工場システムにコマンドを直接送信できます。
「ドラッグ・アンド・ドロップ」方式のグラフィカルなストラテジービルダーでは、コーディングやスプリプト記述をすることなく、デザイナーと呼ばれるGUIから簡単にモデルのカスタマイズと修正ができます。プロセスエンジニアは、設定方法を短時間でマスターして希望のソリューションをすばやく割り当てられるようになるので、生産プロセスが改善され、ファブ内の改善速度も向上します。
装置の自動化を迅速にコスト効率よく実現
E3は、複数のツールや種類の異なるツールを、MESその他の企業システムに接続しなくてはならないオートメーションエンジニアおよびITエンジニアにとっても有用です。ファブワイドでの導入が可能で、すでに高い評価を獲得しているE3なら、装置アプリケーションの開発と統合を容易にし、新たな自動化テクノロジもリリースと平行して迅速にコスト効率よく組み込めます。E3で自動化とAPCを実現したファブは、ダイナミックな市場の変化にすばやく対応できます。
ファブワイドなソリューションで製造工程全体に統合的なアプローチを
E3は完全に統合された一連のソフトウェアアプリケーションとカスタマイズ可能なモデルにより、リソグラフィ、CMP、プラズマエッチングを含む重要アプリケーションの装置パフォーマンスを改善します。このプラットフォームでは、製造領域全体でデータとストラテジーロジックを共有できます。したがって、先行層にCD(クリティカルディメンション)が必要な銅シート抵抗の制御、膜厚、CMPによる研磨後の厚さなど複雑な制御戦略が可能になります。
工程が連続する工場で材料をトラッキングできるE3の能力は、ディスプレイやソーラーパネルの製造業者にとって重要です。Material Viewには全体的な工場レベルでのステータスや個別の装置レベルのステータスが表示されるので、工場技術者はもちろん上級管理者のニーズも満たせます。E3はソーラー業界で一般的な複数の装置プロトコルを使ってコミュニケーションできます。したがって、あらゆる情報を集約して全体像を完全に把握することができます。
特長
- FDC、R2R、EPTを1つのプラットフォームに統合した唯一のEES製品
- ファブの重要領域向けにR2Rモデルをあらかじめセットアップ
- ワークフロースタイルのストラテジーロジックによりソフトウェアの開発が不要
- データをリアルタイムでビジュアル化
- SPOF(単一障害点)の存在しない高可用性アーキテクチャ
- 高速データ収集と装置の自動化
メリット
- 導入時間および統合時間の短縮
- 分析から制御モードへのすばやい移行
- 装置パフォーマンスの改善
- 目標スペックの達成によるプロセスの最適化
- 全体的CoOの削減
- トレーニングの必要性を低減してオペレータの効率を向上